【第61回 気象予報士試験 実技2】問2を徹底解説|衛星画像・線状降水帯・エマグラム・低レベルジェット
こんにちは!今回は第61回 気象予報士試験 実技2 問2を解説します!
今回の問2では、
- 気象衛星赤外画像の読み取り
- レーダーエコーとの比較
- 線状降水帯の特徴
- エマグラム解析
- 自由対流高度(LFC)
- 平衡高度(EL)
- 低レベルジェット(LLJ)
など、 大雨発生場の解析で超重要なポイント が問われています。
特に、
- 雲頂高度と降水強度は一致しない
- 線状降水帯は狭い範囲に猛烈な雨
- 700hPa付近の強風=低レベルジェット
は実技試験頻出事項です。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意(警戒)が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問2(1) 衛星画像と降水域の特徴
問題の要点
衛星赤外画像とレーダーエコーを比較し、領域A・B・Cそれぞれの特徴を説明する問題です。
模範解答
領域A:雲頂高度はやや高いが、降水はほとんどない。
領域B:雲頂高度は低いが、強い降水域が分布している。
領域C:雲は団塊状で雲頂高度は高く、雲域より狭い範囲に非常に強い降水域が線状にのびている。
◇ 解説
この問題では、
- 図7:気象衛星赤外画像
- 図9:レーダーエコー合成図
を対応させながら解析します。
領域A
対馬付近の雲域では、
- 赤外画像:やや明るい → 雲頂高度は比較的高い
- レーダー:降水エコーほぼなし
となっています。
つまり、
高い雲だが雨は弱い
状態です。
領域B
四国東部山地南西斜面では、
- 雲頂高度は低い
- しかし20mm/h以上の強雨域が広範囲
となっています。
これは、
地形性降水
の特徴です。
山地斜面で強制上昇が起こるため、
- 雲頂はそれほど高くない
- でも降水は強い
という状況になります。
超重要
学生がよく誤解するのが、
「雲頂が高い=必ず強雨」
ではない点です。
実際には、
- 地形性降水
- 暖雨過程
などでは、雲頂が低くても強雨になることがあります。
領域C
鹿児島県大隅半島付近では、
- 雲は団塊状
- 雲頂高度は非常に高い
- 猛烈な降水域が細長く分布
しています。
これは典型的な
線状降水帯
の特徴です。
特に、
雲域より狭い範囲に非常に強い降水
が集中していることが重要です。
記述式解答のポイント:分布型
どこで:領域A・B・Cで
なぜ:雲頂高度や上昇流構造が異なるため
何が起きている:降水強度や降水域分布が異なっている
■ 問2(1)まとめ
- 雲頂高度と降水強度は必ずしも一致しない
- 地形性降水では低い雲頂でも強雨
- 線状降水帯では狭い範囲に猛烈な雨
- 団塊状の高雲頂雲は積乱雲群を示す
■ 問2(2) 強い対流雲の位置
問題の要点
衛星画像と降水予想図を比較し、周囲に強雨域を伴わない高雲頂雲の位置を求める問題です。
模範解答
北緯32°、東経125°
◇ 解説
図7では、
東シナ海北部に明るい高雲頂雲
が見られます。
一方、図10の降水予想では、
周囲200km以内に20mm以上の降水域がない
ことが確認できます。
この条件に該当する雲域の中心位置を読むと、
北緯32°・東経125°
付近となります。
つまずきポイント
問題文で
「1°刻み」
と指定されている場合、
- 細かく読みすぎない
- 概略位置で答える
ことが重要です。
■ 問2(2)まとめ
- 衛星画像と降水予想図を対応させる
- 高雲頂雲=必ず強雨ではない
- 位置問題は設問条件を確認する
■ 問2(3) エマグラムと風の鉛直構造
問題の要点
鹿児島のエマグラムから自由対流高度・平衡高度を読み取り、風の鉛直構造を説明する問題です。
模範解答
① 920hPa
② 300hPaより上
③ 全般に西南西の風で、700hPa付近で50ノットと最も強くなっている。
◇ 解説
① 自由対流高度(LFC)
エマグラムでは、
- 地上気温
- 露点温度
から空気塊を持ち上げます。
持ち上げ凝結高度(LCL)を経て、
周囲より暖かくなる高度
が自由対流高度(LFC)です。
今回の鹿児島エマグラムでは、
920hPa付近
がLFCとなっています。
② 平衡高度(EL)
さらに上昇を続けると、
浮力がゼロになる高度
があります。
これが平衡高度(EL)です。
今回のケースでは、
300hPaより上
まで正の浮力が続いています。
つまり、
- 対流が非常に深い
- 積乱雲が高高度まで発達可能
な環境です。
超重要
ELが高いほど、
- 積乱雲が発達しやすい
- 豪雨・雷雨が激しくなりやすい
です。
③ 風の鉛直構造
鹿児島上空では、
- 下層〜上層まで西南西風
- 700hPa付近で50kt
となっています。
この700hPa付近の強風は、
低レベルジェット(LLJ)
です。
低レベルジェットは、
- 暖湿気輸送
- 水蒸気供給
- 豪雨強化
に重要な役割を持ちます。
記述式解答のポイント:構造型
どこで:700hPa付近で
なぜ:低レベルジェットが形成されているため
何が起きている:50ノットの西南西風が吹いている
■ 問2 全体まとめ
- 雲頂高度と降水強度は一致しない
- 線状降水帯では狭い範囲に猛烈な雨
- LFCは920hPa付近
- ELは300hPaより上
- 700hPa付近に低レベルジェット
- LLJは暖湿気輸送を強化する
- 豪雨解析では風の鉛直構造が超重要
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第61回 気象予報士試験 実技2 問2の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
